2015年9月3日木曜日

日中友好新聞の記事の紹介

日中海上連絡メカニズムに関する相互認識

日中防衛当局の「海上連絡メカニズム第4回専門家グループ協議」での合意
2015年2月25日付の日中友好新聞に「1月29日付の新華社の報道として紹介されていた、『海上連絡メカニズム第4回専門家グループ協議』での合意」という記事が掲載されていたので、ここで紹介します。
なぜこのような大切な情報が日本では全く紹介されていないのか不思議です。防衛省も政府もマスコミも国民に意図的に隠そうとしているのではと疑わざるを得ません。
 そこで裏を取るためというわけではないのですが、防衛省のホームページにアクセスしてみました。確かにこのような会議が開かれたという事実は書かれていましたが、どのような内容だったのかについては記載はなく、日本の公式発表は見当たらなかったというのが結果です。本当に残念というほかありません。「国民には、知らせるな」という悪意を感じざるを得ないのが、率直な感想です。
日中友好新聞の記事の内容
2015年2月25日付の日中友好新聞の記事は下記の通りです。
1月29日発新華社中国通信社電によると、中国国防省の楊字軍報道官は同日、北京での定例記者会見で、中日両国の防衛当局が1月中旬、東京で行なった「海上連絡メカニズム第4回専門家グループ協議」で「海空連絡メカ二ズム」の早期始動などで合意し、この点を含めて次の四つの面で共通認識に達した、と述べました。

  1.  メカニズムに関する双方のこれまでの共通認識を確認。それには主にメカニズムの目的、構成、運営方法および関連の技術規範が含まれている。
  2. 中国側が名称を「海空連絡メカニズム」とすることを提案、日本側が同意した。これは海空の安全問題に関する交流・協議に役立つ。
  3. 双方は海空連絡メカニズムの始動、運営の基本的技術条件はすでに整っていると確認し、早期始動で合意した。
  4. 通信ルールの整備について共通認識に達した。
  楊報道官は「中日の防衛関係は両国関係の重要かつ敏感な部分である」と指摘、「日本は約束を守り、確実な措置をとり、防衛関係を含め二国間関係の改善、発展のためプラスの要素を絶えず積み上げていくべきである」と表明しました。

記事の内容についての評価
 尖閣列島をめぐる情勢は非常に緊迫するものだという認識でおりました。にもかかわらず日本と中国の間では、いかなる交渉もなく、一発触発の状態にあるという認識でおりました。日本中国の両政府に対し、少なくとも「いきなり交戦状態になることだけは避けて、冷静に話し合うチャネルだけは確保しておくように心配をしていました。しかし、この記事が事実であれば、日本と中国の軍事当局の間では、少なくとも一定の取決めや合意があったことになります。
 もちろん一定の合意があったにせよ、武力衝突が起こらないという保証には、全くなりませんし、手放しで喜んでいいというものでもないのは確かだろうと思います。
 しかし、今言えることは、日本中国の両政府とも、両方の軍隊がいきなり交戦状態になることを望んでいないことは明らかではないでしょうか。
  この合意に達したことはやはり大きな成果だとほめてもいいことではないだろうか。

    日本政府はなぜ成果を隠さなければならないのか
     この合意が本当に日本では公表されていないのか、あるいは知らないのは私だけなのかについては、もう少し調べてみる必要はあると思います。
     しかし、未だ公表されていないとすれば、これは大問題だと言わざるを得ないと思います。なぜなら、現時点では政府にとっては、国民に隠す必要がある。国民にある緊張感を持たせておくべき必要があると考えているからではないだろうか。そのもっとも大きな要因は沖縄普天間基地の移転と辺野古基地の建設の問題があると考える。政府は国民を騙して沖縄の基地増強、アメリカ軍の強化を進めている。その口実として用いられているのが、日中間の軋轢と緊張である。『仮想敵国』の中国が何をするかわからないので、日本の西南の地区の軍備を固めなければならない。「米軍にもしっかりいてもらわねばならない」ということすら、口実にしている可能性が大いにあるということだ。そのような時に緊張を緩和させる動きなどに指一本動かせないというのが本音であろう。
      国民には不安をあおって、軍備を増強し、戦争ができる国造りを「まさに粛々と」進めているのではないだろうか。少なくともそう勘ぐられても仕方がないというのが日本政府の行動ではないだろうか。
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      中国第4中全会開かる

      2014年11月21日付け日中友好新聞に、2014年10月20日~23日に中国共産党第4中全会が開催され、いくつかの注目すべき議決がなされたことが紹介されていました。そこでここでは、その内容を記事に則って紹介したいと思います。
      記事によれば、決定の各章の内容は、以下の7項目に要約されるとしています。
      1. 法治国家建設の総目標と基本原則
      2. 憲法の重視、その実施と監督
      3. 法治政府
      4. 司法の公正と信頼性の向上
      5. 法治観念の強化と法治社会
      6. 法曹関連人材の育成
      7. 法治の全面的推進への党の指導です。
       中国共産党が「依法治国」(法にもとづく国家統治)を主題とする中央委員会総会を開催したのは党史上初めてのことだということですが、中国としては今まで見られなかった新しい概念を打ち出しています。これらの新しい概念が、単なるキャッチフレーズではなく、本当に新しい思想的ないようであるのか詳しく分析する必要があります。
       決定では、「社会主義市場経済は本質的に法治経済である」と新たに規定し、法治は憲法を核心とし、12月4日を憲法記念日とする、権力を制度のかごの中に閉じ込める、司法の独立など、方向と内容において近代的民主主義国家と本質的に変わらぬ方針を打ち出しました。
       こうしてみると、耳障りのいい言葉が並んでいるように見受けられますが、同時にいくつかの疑問が湧いてきます。しかし、こうして最高議決機関で決定し、世界に公表したということは、少なくともこの概念に束縛されることを意味し、その意味では新しい方向性が打ち出されたと受け止められ、歓迎すべきこととまずは喜びたいと思います。
      社会主義市場経済は本質的に法治経済
       社会主義市場経済とは、中華人民共和国が導入した経済体制である。市場経済を通じて社会主義を実現すると規定された、経済の活性化を図るという体制を指す。(ヴィキペディア参照)これは原則的には、「政治的には社会主義、経済的には市場経済」というものであり、政治的には共産党の指導的地位を認めた、憲法の立場を堅持しつつ、経済的には市場原理を導入するものといわれている。このモデルは、社会主義建設の新しい形態といわれており、この試みが成功するか否かが注目されている。
       日中友好新聞では、「権力を制度のかごの中に閉じ込める、司法の独立など、方向と内容において近代的民主主義国家と本質的に変わらぬ方針を打ち出しました。」と紹介していますが、「共産党の指導の下に権力を掌握し、全面的に権力を振るっている現在の構造と「権力を制度のかごの中に閉じ込める」という権力構造が具体的にはどのように折り合うのかが大きな問題ではないだろうか。
       「社会主義市場経済」という概念は、生産手段の社会化の上に成り立っており、社会主義市場経済が生産手段の重要部門(と見做されるもの)を国有としたまま、その他の部門(この場合は市中銀行のシステムを含む)においては市場主義を導入し、様々な財の価格決定については不完全競争の状態を排除することが不可能であることを前提として、その時々の価格体系を形成するにあたって中央計画当局と自由市場が相互補完することを期待したものである。
       これをさらに進める上で、法体系を整備し、国家権力と経済活動を分離し、国家権力が経済に必要以上の介入をすることを阻止すると考えたものであろうか。文章上はこのようにすんなり書けるが、実際上は非常に困難な課題と思われるが、この困難を明らかにしたうえで、次の段階に進もうという意欲が全人民のものとなっているならば、すばらしいことではないだろうか。

      瞠目すべき自己革新能力
       中国の経済、民生や民主主義が途上国・中進国水準であることは中国人も深く認識しており、それゆえにキャッチアップに懸命です。 他方、アメリカや日本にない民主主義を自負してもいます。戦争愛好国家でも、カジノ国家でも、主活困窮者を放置する国でもないからです。中国法、強立国家であること、経済規模は14億人の共同・富裕化をめざしている一点において優っています。
       何はともあれ、この4全中会において、法治国家、法治政府、法治社会の実現など近代的民主主義への前進を宣言した意義はきわめて大きなものがあります。経済と政治の改革が今後相携えて進む、改革の政治的障碍の打破を意味するためです。

        法治の五大システム
         今回の決定は、法治の全面推進の五大システムとして
        1. 法律規範体系の完備
        2. 効率的な法律実施
        3. 厳格な法治監督体系
        4. 有効な法活保障
        5. 党内法規体系の完全化をあげ、
        今後の任務として司法の独立性と信頼性の強化、裁判官・検察宮など、法曹関係者の育成、行政幹部による重要意思決定の審査制、その終身責任追及制度の樹立、最高裁の全国巡回法廷など、注目すべき新方針を掲げています。
         「法はあれども、実行されない」、「法律違反でも責任は追及されない」現実を2020年までに基本的に変革するとしています。どこまで成功するのかが注目点です。
         3中全会の「改革の全面的深化」方針、4中全会の「国家統治改革」方針により、中国新政権は新たなステップへの画期となるとみてとることができます。 中国社会は、1992・93年の社会主義市場経済化路線の採択に匹敵する画期を迎えた、中国社会主義は発展の新たな段階に突入したのではないでしょうか。

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